P+S TECHNIK WEISS CAM HS-2

December 3, 2009

REPORT 佐々木 基成

 

新たなカメラへの挑戦

 ハイスピードの映像は、普段観ることができないダイナミックな世界を観客に提供することで、作品に引き込ませる映像表現の手段として使われてきた。

アクションものの作品にはハイスピード撮影は必要不可欠な要素であり、「劇場版仮面ライダーシリーズ」もPanasonic AJ-HDC27F(バリカム)を使用しあらゆるコマ数で撮影が行なわれてきた。しかしバリカムで撮影可能なコマ数にはMAX60コマと限界があり、最近の作品ではそれ以上のコマ数を望む場合はPhantom HDで対応してきた。

 しかし今回の「仮面ライダーW&ディケイド MOVIE対戦2010」の撮影では、P+S TECHNIK社 WEISS CAM HS-2が発売された直後であったにもかかわらず、新し物好きの監督と仕上げ担当の熱意が西華産業に届き、当時日本に2,3台しか入ってきていなかったWEISS CAM HS-2で撮影することが可能となった。

 

ハイスピードカメラの進化

 WEISS CAM HS-2はフルHD画質で1秒間約2000コマの収録が可能である。収録されたデータはカメラ内部のバッファーメモリに保存される。バッファーメモリには約12000コマ分のデータが蓄えられるので撮影するコマ数によって収録時間が変わってくる。例えば120コマで撮影すれば約100秒収録が可能で、1000コマで撮影すれば約12秒収録ができるという具合である。

 またカメラ感度だがRED ONEのように任意に感度は動かせない。メーカー側の発表ではISO640ということだった。こういう数値は裏切られることがおうおうにしてあるのだが、実際に感度を測定してみたところずばり640だったのでなかなかの高感度である。

 カメラの調整も比較的柔軟に行なえるので、他社機種を含めた2,3カメの撮影のときでも、現場である程度は追い込んでマッチングを図ることも可能である。

 収録された素材の再生(スロー再生)も現場を待たせず容易に行えるので操作性は非常に優れている。

 

特筆すべきは機動力の向上

 スパースロー撮影では数年前まで大量の機材を必要としAC駆動しかできなかった。機材車に満載の機材で現場に乗りつけ、1時間以上セッティングに時間がかかり、ようやく撮影可能という状態であった。その後Phantom HDの登場で機動力UPにつながったが、カメラの操作性、PCを介しての運用はまだまだ改善の余地があり、現場ではストレスがたまるものだった。

 WEISS CAM HS-2は電源入力端子を2系統配すことでAC/DCの切り替えに柔軟に対応している。また、コントロールユニットで全ての操作が可能なのでPCを介さず撮影が行えることから機動力は格段に進歩したといえる。さらにタッチパネル式でシンプルかつコンパクトに設計されているので、カメラに取り付けても邪魔にならない。

 

WEISS CAM HS-2予備知識

 カメラの起動が不安定な点が挙げられる。WEISS CAM HS-2もPhantom HDやRED ONE同様、PCで撮影する感覚である。そのためカメラの起動に多少の時間を要する。そのうえ1,2分待てば完全に起動するかといえばそうではなく、撮影が行える状態までカメラが起動しないこともある。その対処方法としては何度かカメラ電源のON/OFFを繰り返すか、それでも完全起動しない場合はカメラを10分以上ヒートランさせた上で再度起動を試みる方法がある。

 一度カメラが起動してしまえばその後は安定して駆動しているので、ACでの運用も併用して常に電源を供給し続けてカメラの電源をおとさないことをお勧めする。

今回の撮影ではDC駆動用としてIDX社EB-2にIDX-ELITEを2個付けで使用した。WEISS CAM HS-2は24V駆動のためEB-2の出力を24Vに調整してある。この状態でEB-2を持ち運びするとバッテリーは非常に外れやすいので何かしらの工夫は必要だろう。IDX-ELITE以上の電圧、電流を擁するバッテリーの使用はカメラに必要以上の負荷がかかるので使用は絶対禁止である。

 また、WEISS CAM HS-2本体にはバックフォーカスを調整する機構が存在しないため、レンズ側で合わせていかなければならないので注意が必要である。

 感度が任意に変えられず、本体にNDフィルターが内蔵されていないため、撮影するコマ数や撮影環境によってはレンズの絞りだけでは絞りきれないケースが存在するので、NDフィルターは必需品といえる。

 

データの収録はなんと!

 「仮面ライダーW&ディケイド MOVIE対戦2010」でWEISS CAM HS-2の映像が映画では初お披露目ということで、今回撮影に計測技術研究所の方々が同社製UDR-D100を持参してくれた。そのおかげで本編ではWEISS CAM HS-2の映像を最高の状態でご観賞頂けるだろう。

 UDR-D100の他に現場ではバックアップ用としてPanasonic AG-HPM110で同時収録を行い、万が一収録素材に事故がないように万全を期した。

 西華産業からWEISS CAM HS-2用のDigital Magazine(収録用外付けHDDのようなもの)もお借りできたのだが、機材の返却のことを考慮するとDigital Magazineを仕上げにまわしている余裕がなかったため今回の使用は見送ることにした。

 

最後に

 1080以外にも720、2Kでも撮影が可能なのだが、カメラ本体で簡単に切り替えが行えないことや、コントロールユニットのケーブルが短いこと、ファインダーの視認性が非常に悪い点など改善点は多々存在するが、それらを補って余りがあるほどWEISS CAM HS-2はハイスピードカメラとしては使いやすいカメラである。

撮影機材レンタルのテックスではすでにWEISS CAM HS-2を導入済みなので、スーパースロー撮影をお考えの方は是非一度使用してみてその実力を実感してみてください。病み付きになること間違いなしです。

 

機材協力 西華産業 計測技術研究所 テックス

 

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