Panasonic LUMIX DMC-GH-1 リポート

March 4, 2010

REPORT 中村 耕太

 

2008年夏に世界初の動画撮影機能を備えたデジタル一眼レフカメラ、ニコンD90が発売されて以来世間一般のみならず業界内にも大きな流れを生み、各メーカーが競って動画撮影機能を備えたデジタル一眼カメラを発表している。すでに10機種以上が発表されてきたが、今回は初めてオートフォーカス機能を装備したLUMIX DMC-GH-1の動画撮影機能をドラマや映画撮影を想定してテストしてみた。

 

機材構成

 カメラ本体(GH-1)、マットボックス(ARRI MMB-1)、フォローフォーカス(FF-4)、スライドベース一式、PLマウント変換アダプター(HOT ROD)、レンズ(アンジェニュー10×、ZEISS50mm)、ロッド変換(クロジール401-17)を使用。

 

 オペレートがスムーズにいくようにフォローフォーカスを装着。アンジェニュー10×の重量に耐えれるようにスライドベース、レンズサポートを装着した。ZEISS単玉は重量的には直に装着しても問題ないのだが、マウント変換アダプターの精度のせいか若干の遊びがありレンズオペレートをすると画にガク付きが生じてしまうのでこの際もレンズサポートをつけたほうがよいだろう。マットボックスを装着する際にARRI製のマットボックスとレンズ高が合わなかったのでクロジール社製のロット変換を用いて高さ調整を行った。

 

AF

 今回オートフォーカス機能を備えたGH-1だが検証してみたが、速い被写体には追尾が追いつかない。顔認証による追尾はワンショット撮影時には浅い被写界深度をEVFの見た目だけでなくセンサーがピント合わせを行ってくれるので見た目だけより格段に正確だろうが、それ以外はドラマや映画撮影においては今一歩で、補助的な扱いなら良いがまだ実撮影で使用できるほどではない

デジタル一眼カメラで動画を撮影する最大の利点は被写界深度の浅い撮影ができることだが、同時にフォーカスワークが難しくなる。マイクロフォーサーズの撮影素子はビデオカメラの数倍あるので、手動で被写体を完全にフォローするのはレンズの操作性を含めてなかなか難しい。

 またGH-1は1920×1080のフルスペックでの撮影が可能であるが、1920×1080ではオートフォーカスが効かない。AFの為に1280×720に画質を落とすのは少しナンセンスな気がする。

 ドラマや映画撮影では、様々なロケ環境で悪条件にも耐え、なおかつ撮影者の意図を反映し扱いやすい機材でなければいけない。デジタル一眼カメラは小型で動画撮影用のカメラに比べ大変手軽に高画質が撮れるようになっており、一般ユーザーが旅先でスチール写真も撮れて、ついでに動画も写真クオリティと同じように撮りたいという希望は十分叶えられる。しかしプロの現場ではそうはいかない。映すと撮るでは大きな違いがある。

 

 

感度

 感度は静止画とほぼ同じ設定でASO3200以外は任意に選択できる。ただ一番の低感度でASO100なので晴れた屋外ではフルNDフィルターを用意しないと絞れ過ぎてしまう。

 絞りを切る際に1つ問題がある。マイクロフォーサーズレンズを使用する際、ズームのミリ数によってカメラ側で光量補正が行われズーミング最中に段階的に絞りが補正され明るさのカク付いた映像になってしまう。ズーミングによる光量変化をカメラ内部で補正してしまうものでメニュー制御することはできない。ズーミングしたい場合は絞り値をF5.8以上(LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8使用時)にする必要がある。ズーミングしない画ならばメーターでの運用で安定した露出を切れる。

 

 

レンズ

 今回は映画撮影を想定した機材を構成した。HOT ROD社のPL変換アダプターを用いてPLマウントレンズを装着した。付属のレンズは開放値F4の為使用に適さない場面もでてくる。PLマウントに変換することでT1.4の単玉を使えることや小型レンズによる望遠撮影が出来るメリットもあるので、用途によりマイクロフォーサーズレンズと他のレンズの使い分けで意図した画作りは可能だ。

 PLレンズを使用することでAFは利かなくなるが露出を的確に決めることができ、アクセサリーの使用によりオペレート面では普段のカメラとなんら変わらず撮影することができる。

 

テレビドラマを作るにあたって

 TVドラマの現場は大勢の人が現場でモニタリングするのだが、GH-1を現場でモニタリングするには再生性能が良くない為、VE的な映像の監視作業はまずできない。収録したSDカードを現場でAVCHD対応機器を使い再生、収録チェックを行うという流れになるだろう。

 再生性能に関して詳しく調べる時間がなかったが、試しにGH-1で撮った素材をHMR-10では再生できたがその逆はできなかった。AJ-HPM200や他の機器でも試してみたいところだ。

 タイムコードが存在しないので簡単なつなぎ撮りなら問題ないが複数台分の編集などの場合はタイムコードジェネレーターを使用しなければいけなくなる。

 

 被写界深度の浅さ、カメラの軽量さ、機材構成の自由さなどから、今までのTVドラマとは一風変わった作品を作ることができるだろう。しかしそれには仕上げでのカラコレが必要であり、タイムコードの問題、素材の安定性、モニタリング性能などまだまだ問題点はある。デジタル一眼カメラの動画撮影はまだ始まったばかりなので、さらに開発が進めば現行のムービーカメラを上回るものになっていくかもしれない。

 

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