劇場版仮面ライダーダブルFOREVER  制作リポート①

August 5, 2010

REPORT 佐々木 基成

 

○はじめに

「ベオウルフ」や「ファイナルデッドサーキット」が第三次3D映画ブームの口火をきり、「アバター」で見事時代の本流となりつつある3D映画。国内外の家電メーカーも競うように3D製品を発表しており3Dブームを盤石なものに築き上げようとしています。その流れに乗り2010年8月7日公開の「劇場版仮面ライダーダブル」も3D作品として制作されました。ハリウッド3Dに押され元気のないジャパニーズ3Dですが仮面ライダーブランドによる巻き返しが図れるのか、その制作風景の一端を3回に分けてリポートしたいと思います。

第1回目はカメラテストを中心にリポートいたします。

 

○3D作品を撮影するにあたり

一口に3D撮影といってもその手法は数種類存在します。大別すれば2D→3D変換を行なう方法もしくはステレオ撮影を行なう方法です。

2D→3D変換にはレイヤーごとに分解し、少しずつ左右にずらして視差をつけていく方法やデプスマップを作成し、ディスプレイスメントマッピングで立体化する方法、オリジナル画像から3DCGのジオメトリを作成しその上に元画像をプロジェクションマッピングする方法等が存在します。

ステレオ撮影にはカメラ2台を用い平行法撮影する方法とハーフミラーを用いる垂直式の方法があります。また、カメラ1台で複眼レンズを使用する手法も存在するほか、一つのレンズに対しカメラボディが2台の方式も開発されています。

上記の手法はそれぞれに一長一短があり一概にどれが優れているか断言はできません。しかし無理のない自然な立体感を得るためには現状ではステレオ撮影に分があるといわれています。現在の状況では私は撮影するカット(状況)によって最適な手法を選択して撮影するのが良いのではないかと考えています。

 

○カメラテスト

2010年3月からステレオ撮影とリアルタイムモニタリングが行なえる環境を整えることをテーマに何度となくテスト撮影を行なっていきました。その当時の機材でステレオ撮影が行なえる全てといっていいほどの手法でテストを行ったのではないでしょうか。

テストを行ったカメラシステムはICONIX社RH-1を用いた平行法撮影、P+S TECHNIK社垂直ミラー式3D RIGにRED ONEを搭載した方法、「ジョーズ3D」で使用していた複眼式ARRIVISION3DレンズをRED ONE及びB4マウントカメラに装着した方法、レンズアタッチメント式3DコンバーターWASOLを装着した方法です。テスト内容としては得られる3D映像のクオリティ、運用面での操作性を中心にカメラテストを行いました。

上記のテストの結果、カメラシステムは垂直ミラー式RIGを採用する運びとなりました。カメラを組み上げた際の大きさや重量に使い勝手の悪さを感じたのですが、L,Rカメラそれぞれの映像のクオリティの高さや視点間距離を「0mm」まで狭めることができる自由度の高さが決定打となりました。

カメラシステムと平行してモニター周辺(ベース周辺)のテストも行っていきました。In2Core社ビデオアシストシステムQ TAKE HDや池上通信機のライブスイッチャーを用いたモニタリングシステム、また3ALITY Digital社SIP-2100の実践的な運用テスト、その他に収録チェック用のデュアルレコーディング収録機としてSONY SRやCORDEXのテストも行いました。また、現場で収録チェックを行なわない方式も想定して、モニタリングのみを追及したシステムもいくつか考案しました。

システム面の決定は難航したのですがQ TAKE HDを採用することになりました。MAC PROを現場に持ち込まなければならないというリスクはあったのですが、3D撮影に役立つ機能が充実していた点や収録機としても使用できる点が採用に繋がりました。

3DモニターはREDROVER社の24インチ及び9インチモニターをテストしたのですが、24インチモニターは形状が非常に大きかったため現場での運用は非常に困難になると思われました。そのため3D液晶モニターを手配する運びとなりました。

カメラの機能的なテストとしてRED ONEとPanasonicHPX-2700のフレームレートを変更した際の同期テストやTCスレーブテストなどをおこないました。特に同期のテストは幾度となく繰り返し行いました。2台のカメラの同期がずれていると、ステレオ映像にぱらつき(残像)が生じてしまい快適なモニタリングができません。また、任意のフレームで映像をフリーズさせた際、左右の映像がシンクロしていない現象が起きてしまい3D映像として成立しない結果になってしまいます。

カメラ、同期信号の種類、フレームレートを何パターンもの組み合わせで撮影し、カメラと同期信号の相性や撮影が可能なフレームレートを割り出していきました。

   当初はゴールの見えない途方もないテストのように感じられたのですが、徐々に選択肢を狭めていき今回のシステムを構築しました。

   次回のリポートではシステム構成と撮影機材を中心にリポートしたいと思います。

 

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