劇場版仮面ライダーダブルFOREVER  制作リポート②

September 11, 2010

REPORT 佐々木 基成

●はじめに

「劇場版仮面ライダーダブル FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ」をご覧になっていただけましたでしょうか。おかげさまで観客動員数が100万人を越え、子供から大人まで多くの方々が満足できる作品になったのだと思います。

さて今回のリポートは前回の「カメラテスト編」に引き続き「3D機材編」をお届けしたいと思います。

 

●カメラ

 当初Panasonic HPX-2700での運用を考慮していたのですが、今作の監督を務めた坂本監督の意向によりRED ONEで撮影することになりました。72コマや96コマなどのアクションシーンには欠かせないハイスピード撮影がRED ONEなら撮影可能な点が決定打となりました。実際に作品中には何度となくハイスピードカットが登場するので、ダイナミックな映像を堪能できることと思います。

 

●3D RIG

 3D RIGはELEMENT TECHNICA社QUASARを使用しました。カメラテストで使用したRIGではカメラワークをした際、カメラの重量にRIGが耐え切れず重心バランスが非常に悪くなったため、日本に上陸したばかりのより頑強なQUASARを採用しました。

 クランクイン2週間前に我々の手元に届いたのですが、マニュアルもなく正しい使い方を知る人間もいなかったため連日遅くまで研究の日々を送り、何とかクランクインまでには形にすることができました。

 

●レンズシステム

 レンズは単焦点レンズを使用することも視野に入れていたのですがレンズ交換のたびにレンズの光軸調整をしなおさなければならず、撮影に時間がかかりすぎることから断念することにしました。そこでFUJINON社製の左右レンズのズーム、フォーカスを連動して駆動させることが可能なレンズシステムを使用する運びとなりました。このレンズの採用で現場での調整は非常にスムーズに行なうことができたうえ、カット内でのフォーカス送りやズーミングを容易に行うことが可能になりました。

 

●3Dベース

 3D映像のリアルタイムモニタリングのためにIn2Core社のQ TAKE HDというソフトを採用しました。Q TAKE HDには主に映像信号の収録、再生及びLカメラの映像の上下反転を行なってもらいました。またRIGの調整時にはモニターにグリットラインを表示させることですばやい調整が行なえました。

また、Q TAKE HDから出力されるL,Rの映像信号をPanasonic AV-HS400Aに入力し、そのMIX映像をカメラ側に送り返しモニタリングできたことで、カメラ側でのコンバージェンスの調整を快適に行なうことができました。コンバージェンスの調整は左右の映像の視差を監視できればよいので3Dモニターを使用する必要性はなく、MIX映像で十分に調整は可能です。3D RIGに取り付けた高解像度のモニターでコンバージェンス調整を行なえたことで、ベースから指示を出さなくてもコンバージェンスを追い込むことができました。ベースからの指示を最小限に抑えられたことでお互いのストレスを抑え時間の短縮に繋げることができました。

スイッチャーから出力されるL,Rの映像信号はVEベースにつながり、WFMとマスモニで監視できたので映像信号の輝度差は現場レベルで補正することができました。

 当初、MacProをロケ現場で使用することは不安材料でした。限られた撮影期間内で撮影をスムーズに進めるためにはMacProのマシントラブルは確実に避けなければならない問題だったからです。そのために我々はMacProのHDDをSSDに交換し、防塵、防振対策、そして撮影後のメンテナンスを十分に行なったことで一度のトラブルもなくクランクアップを迎えることができました。

結果的にはノートラブルでしたが、撮影現場にはMacProがトラブルを起こした場合の対処策として、全く別の方式でリアルタイムモニタリングを行なえるシステムを常備しておき万が一に備えていました。このシステムが日の目を見ることはありませんでしたが、バックアップのシステムがあるということで安心して撮影を行なうことができました。

今回の撮影ではQ TAKE HDのスペックをフルに引き出せてはおりません。現場編集、カラコレ、クロマキー処理、ポスプロチームへの撮影データの受け渡し等Q TAKE HDにはあらゆる活用手段があり、活かしきれなかったことは非常に残念でした。

 

●3Dモニター

 3DモニターはHYUNDAI製P-240Wというラインバイライン方式の24インチモニターを採用しました。例えば9インチのモニターと24インチのモニターでは同じ映像をモニタリングした際、立体感に差が生じます。9インチでは快適な視差でも24インチでは破綻しているというケースがあるからです。そういった点を考慮し、ロケ現場で運用しやすいできるだけ大画面のモニターという条件でこのモニターを選択しました。

 

●最後に

 今作の機材選択は未開の地に足を踏み入れるようなものでした。恐る恐る進みつつも時には大胆に行動に移す必要があったからです。もちろん私一人の力だけではここまでたどり着くことはできませんでした。多くの方々の助力のおかげで今回のプロジェクトが成功したといえます。ご尽力いただいた方々には大変感謝いたしております。

 

 連載形式でお届けしてきた3D制作リポートですが、次回が最後となります。最後は「実践編」と題しまして実際の現場ではどのように撮影が行なわれていたのかリポートしたいと思います。

 

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