K&L コンパクト3軸アイソレーター

REPORT 中村 耕太

●アイソレーターとは

 ドリー撮影や特機による移動ショット、牽引撮影などの際、振動による映像のブレを軽減し、安定した映像を得る為にフリクションヘッドの下に装着する機材が、アイソレーターと言われる防振装置である。通常のアイソレーターはX、Y軸(前後左右)方向のみに作用するがK&Lが独自に開発したコンパクトアイソレーターは、Z軸(縦軸)にも対応した、いわば3Dアイソレーターと言える。

●撮影段階でブレのない映像を得る意義

 編集機のスタビライザー性能も向上し、編集段階でも映像のぶれを軽減する事ができる。しかし、撮影時の振動はブレとなって画質を著しく低下させる要因になっている。撮影段階では防振レンズを用いて対応する事も出来るが、レンズの選択肢が限られてしまう、更に状況によっては防振レンズでは対応しにくいケースもある。

 今回試用したK&L製コンパクトアイソレーターは通常のX、Y軸方向の防振に加えZ軸方向にも防振機能を加えたものである。防振レンズを使用せずアイソレーターのみで全方向に防振が効くのであれば機動性も向上し、レンズ選択が自由に出来る、さらにコスト面でも期待が持てる。

●コンパクトアイソレーター概要 

 通常のものと比べコンパクトな設計になっており、重量も約4kgと軽い。耐過重は25kgとなっており、通常のドラマ撮影時のカメラなら三脚ヘッド重量を含めても余裕がある。本体底部のパーツを替えることでボールヘッド(100φ)とミッチェルベースに対応。防振機構には交換式のバネを使用し、強さの異なる2種類を使い分けることができる。

●機能検証

 この製品注目のZ軸(上下)の効果はどうであろう。三脚にトライアングルドリーを履かせアイソレーターを装着しタイルなどの平坦でない地面を走らせてみた。

Z軸の構造は4本のバネでカメラを支える形になっており、タイルの隙間の細かい振動はZ軸のバネにより振動が吸収されガタツキのない映像が得られた。

 次にタイヤ移動車でのドリーショットに使用してみた。移動車が向きを変えカメラに横重力がかかるとカメラのロール揺れが出てしまいタイヤ移動車の揺れとZ軸の歪みを押さえようとするオペレートの力も加わりフラフラした映像になってしまった。地面がある程度平らでドリー方向も単純な直線方向の動きであったり、レール移動車の繋ぎ目のガタツキ消しなどには効果が大きい。

 Z軸機構はネジ止めで取り外し可能なので必要の無い時ははずしておけば良いだろう。カメラが乗っているベース(三脚、牽引車、タイヤ移動車など)にロールする力が加わってしまうようなドリーショットでは注意する必要があるだろう。

 軽量コンパクトな機動性には大きな魅力を感じる。また全方向に効くアイソレーターは他にはないものなので、平行を保てる機構が改良され、更に安定性が向上すれば撮影の幅も広がり使いやすい機材になるだろう。

PHOTO GALARY

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