映画「モテキ」におけるPanasonic DMC GH-2の運用

August 1, 2011

REPORT 佐々木 基成

今回は公開が待ち遠しい映画「モテキ」から、ドラマや映画の撮影現場で使用する機会がほとんどない機材を取り上げたいと思います。

 突然ですが、DSLRという言葉をよく耳にするようになりましたが、これはどういう意味なのでしょうか?

 

DSLR=Digital Single Lens Reflex(デジタル シングル レンズ レフレックス)。一つのレンズから光を取り入れる機構からシングルレンズは「一眼」、その光をファインダーにレフレックス(反射)して導くことから略して「レフ」。つまりDSLRとはデジタル一眼レフということになります。現在、CANONのEOSシリーズやNIKONのDシリーズは家電量販店でも購入できるのでプロアマ問わず幅広い層に愛されているカメラです。

そして忘れてはいけないのがPanasonicが誇るDMCシリーズ。オリンパスとの共同開発により生み出されたマイクロフォーサーズシステムを搭載しているデジタル一眼レフカメラです。

 テレビ版モテキではDMC-GH1を使用して全編撮影したのをご記憶の方もいるでしょう。映画「モテキ」ではまた懲りずにDMCシリーズを使用したのです。テレビ版へのオマージュといったら聞こえはよいですが、我々撮影クルーとしては明確な意図がありこのカメラPanasonic DMC-GH2を使用したのです。とはいえGH2はメインカメラではありません。サブのサブカメラとして運用しました。その使用目的は「人混みにまぎれること」です。

 モテキという作品のウリのひとつはライブにあります。ライブの興奮、盛り上がり、熱気そういった要素をスクリーンを通して伝えたい。あたかもライブ会場にいるようなリアルな臨場感を味わってもらいたいために、我々はGH2を携えライブ会場の観客のど真ん中に殴りこんだのです。

 業務用の大型カメラやEX3、AF105クラスでも大きすぎて観客にカメラを意識させてしまいます。それでは臨場感は出ません。カメラも一緒に盛り上がり、一体感を感じるためにはGH2は最適でした。振り上げたこぶしの先にはカメラが握られている。まさにそういった感覚です。映画「モテキ」をご覧になりグルーブ感を感じていただけたら幸いです。

 

 さて、ここからはGH2というカメラの性能について掘り下げていきたいと思います。GH2導入のきっかけは「シネマ動画」機能を搭載したことにより、1920×1080/24Pでの撮影が可能であることが大きかったと思います。

 その他にもスロー/クイック動画モードではオーバークランク0.8倍(30コマ)、アンダークランク1.6倍(15コマ)、2.0倍(12コマ)、3.0倍(8コマ)の4種類のコマ数で24P撮影時に限り運用することが可能です。また、動画撮影では使用できませんがIR超解像モードを使用することでキレのある映像を撮影することが可能となっています。また、映像出力端子からは常に映像が出力されているので、別個に取り付けたモニターでのオペレートも可能です。

 

 「モテキ」のカメラマン宮本氏とGH2のカメラテスト、ナイター編を行っていた際に宮本氏がつぶやきました。「GH1よりかたくねぇか?」 ……さっそくGH1と比較してみました。

 GH1は24P撮影ができないので、お互い1080/59.94iに設定(GH2はなぜか60iでしか出力出来ないもよう)、絞りF6.3、シャッター1/60、ISO800、色温度3.1k。余計な機能は全てOFFに設定。お互い同じネーミングのガンマカーブが搭載されているので、それぞれデフォルト状態で比較していきました。まずは「スタンダードガンマ」。ん〜GH2の方が暗い…。仕方ないのでGH2の絞りを開ける事になりました。両者ともLUMIX G VARIO HD 14-140mmを使用していたので微妙なアイリスコントロールができず、最も近いところに絞りを合わせると、GH2はF5.0になってしまいました。他のガンマカーブも同じような傾向で1stepから2step、GH2の方が暗いようです。

 問題のカーブ(傾き)ですが、写真は「スムーズガンマ」で①がGH1、②がGH2です。ぱっとみたところ差はないようですが、GH2の方が暗い方から2〜4段目が約2%しまっています。明部は約4%GH2の方が寝ているようです。「ノスタルジックガンマ」も同じ傾向で、暗部で2%の締まり、明部で4%の寝具合でした。他のカーブに関しては感度が異なるだけで傾きはほぼ同じでした。さすが宮本氏いい目をしてらっしゃる。

 

 GH2はあくまで民生機なので我々にとっての使いやすさを求めたら罰が当たりますが、あえて改善点を述べたいと思います。まず、映像の出力ですが、モニターに映し出された映像は暗部が極端につぶれているのです。しかし、収録を始めると正常な状態に戻るのです。正常な状態というのはSDカードに記録されている状態です。なぜこうゆうメカニズムなのか定かではありません。ちなみに先ほどのガンマカーブの検証の際はGH2は収録しっぱなしで比較していました。次にシャープネスです。MAXマイナス設定にしてもまだカタイ!輪郭がまだたちすぎています。やっぱ民生機なのだなぁという印象です。フォーカルプレーンシャッターもまだまだ改善の余地ありでした。

 ある意味最も残念だったのが、GH1とGH2のバッテリーに互換性がなかったことです。EOS 5Dと7Dは共通なのになぜ?

 

 モテキ撮影の模様を写真工業出版社発行ビデオα2011年8月号に掲載していますので興味のある方は是非手にとっていただきたいと思います。

 

映画「モテキ」2011年9月23日公開です。これを観ればあなたにもモテキが訪れる!

 

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